企業年金とは何か

図は企業年金連合会のサイトより引用。

 

企業年金とは、企業が従業員の退職後に支払う年金のこと。公的年金を補うために設けられたもので、「すべての会社が必ず設定しなければいけない」ということはない。大企業の厚生年金に付加されることが多い。

 

企業年金の掛金は、税法上の控除対象となる。基本的には会社員が、節税しながら運用して、年金の上乗せをはかるための制度だ。

 

企業年金には、以下の2つのものがある。

 

  • 確定給付型
  • 確定拠出型

 

「確定給付型」と「確定拠出型」は、それぞれ以下のように分類できる。


名称

ポイント

該当する年金

確定給付型

 

「掛金」の拠出が決まっている。将来の年金額が決まっている。

 

「厚生年金基金」(201441日以降新設不可)

「確定給付型企業年金:規約型」

「確定給付型企業年金:基金型」

確定拠出型(企業型・個人型)DC

 

「年金」の受け取りが決まっている。一定の掛金を加入者が拠出し運用する。

企業型確定拠出年金

個人型確定拠出年金(iDeco

企業年金には「確定給付型」と「確定拠出型」がある

図は三井住友信託銀行のサイトより引用。

 

企業年金には、「確定給付型」「確定拠出型」があり、それぞれ以下のように分類できる。

名称

ポイント

該当する年金

確定給付型

 

「掛金」の拠出が決まっている。将来の年金額が決まっている。

 

「厚生年金基金」(201441日以降新設不可)

「確定給付型企業年金:規約型」

「確定給付型企業年金:基金型」

確定拠出型(企業型・個人型)DC

 

「年金」の受け取りが決まっている。一定の掛金を加入者が拠出し運用する。

企業型確定拠出年金

個人型確定拠出年金(iDeco


確定給付型には、「厚生年金基金」と「確定給付企業年金」があり、給付額が確定している

  • 確定給付型の企業年金は、退職後に支払われる額が決まっている。
  • 事業主が支払った確定給付型年金の掛金は、全額損金に算入できる。
  • 老齢給付、脱退一時金のほか、障害給付や遺族給付も可能。
  • 老齢給付の年金は、公的年金控除の対象となる。
  • 老齢給付の一時金は、退職所得控除の対象。
  • 障害給付金は非課税。
  • 死亡一時金は、相続税の対象。
  • 脱退一時金は、所得税の対象。

確定給付型年金の種類名

ポイント

税法上の控除

厚生年金基金

201441日以降新設できない。

従業員が負担した掛金(保険料)は、社会保険料控除の対象。

確定給付企業年金

 

規約型

 

労使合意の年金規約に基づき、企業が信託銀行や生保と契約して、積立金の管理や運用、給付を資産管理運用機関に任せる。

従業員が負担した掛金(保険料)は、生命保険料控除の対象。

基金型

企業とは別の法人格を持つ基金を設立して、その基金が積立金の管理や運用、給付を行う。

従業員が負担した掛金(保険料)は、生命保険料控除の対象。

厚生年金基金

図は企業年金連合会のサイトより引用。

 

  • 厚生年金基金は、老齢厚生年金に上乗せして年金支給を行う。
  • 2014年4月1日以降新設できなくなった。
  • 支給開始年齢は、60〜65歳(老齢厚生年金と同じ)。
  • 掛金の従業員(加入者)負担分は、社会保険料控除対象。

確定給付企業年金

図は労働金庫連合会のサイトより引用。

 

  • 確定給付企業年金には、「規約型」と「基金型」がある。
  • 掛金は事業主負担。
  • 規約に定めれば、従業員(加入者)が掛金を負担することも可能。
  • 従業員(加入者)が負担した掛金は、生命保険料控除の対象となる。

確定拠出型の年金(DC)、「企業型」と「個人型」(iDeCo)の一目で分かる比較表

図は厚生労働省のサイトより引用。

 

確定拠出型の年金(DC)には、「企業型」と「個人型」(iDeCo)がある。加入者が老後に備えて、一定の掛金を運用していく。

図はりそな銀行のサイトより引用。

【確定拠出年金のポイント】

  • 運用は、加入者本人が行う。運用リスクも本人が担う。
  • 個人型iDeCoの、自営業者などの掛金限度額である「月額68,000円」がFP試験では出題される可能性がある。
  • 平成30年1月から、月単位ではなく年払い支払ができるようになった(←FP試験で出題される可能性あり)。
  • 運用商品は、投資信託、預貯金、保険商品など。
  • 企業型の事業主の掛金は全額損金に算入可能。
  • 「確定拠出年金」の加入者が負担した掛金は、全額が小規模企業共済等掛金控除対象。
  • 「確定拠出年金」は「企業型」→「個人型」への移動が可能。例えば、転職や離職をした場合には、年金資産を国民年金基金に移動させて、個人型に移せる(これを、「ポータビリティ」と呼ぶ)。
  • 原則60歳まで引き出したり脱退したりができない。緊急でお金が必要になっても出金不可。
  • 通算加入期間10年以上で60歳以降(70歳まで)に老齢給付金(年金・一時金)の受給を開始する。加入期間が10年未満の人は、60歳を過ぎてから受給できる。
  • 老齢給付金のほか、障害給付金、死亡一時金、脱退一時金がある。
  • 老齢給付金は、公的年金等の控除。
  • 一時金は、退職所得控除。
  • 「確定拠出年金」の「企業型」における、マッチング拠出(従業員が負担する掛金)は、企業の拠出額を超えられない。

自営業者などのための年金制度

自営業者などのための年金制度には、主に以下の4つがある。

 

付加年金
国民年金基金(付加年金との重複加入不可)
小規模企業共済
中小企業退職金共済制度(中退共)

 

 

加入対象者

月額掛金

掛金の控除等

掛金を支払う人

付加年金

1号被保険者

400

全額所得控除の対象

加入対象者

国民年金基金

*付加年金と同時加入はできない。

1号被保険者

(国民年金の任意加入被保険者:6064歳)

*任意脱退不可。

確定拠出年金(iDeCo)と合算して68,000が上限。加入は口数制で1口目は終身年金、2口目以降は確定年金も選択可能。

社会保険料控除として全額所得控除の対象

加入対象者

小規模企業共済

従業員20人以下(商業・サービス業は5人以下)の個人事業主または会社役員

*従業員は加入不可。

1,000円〜70,000

小規模企業共済等掛金として全額所得控除の対象

加入対象者

中退共

*従業員が途中で退職した場合は、従業員が中退共から退職金を受け取る。

*平成264月以降に退職し、3年以内にした加入実績があれば、加入期間を合算できる。

中小企業の全従業員(一定要件あり)と使用従属関係にある、事業主の配偶者など同居親族

*事業主、役員は加入不可。

5,000円〜30,000

*【国の援助】新規加入事業主に:掛金の2分の1(上限1人あたり5,000円)を加入後4ヶ月目から1年間助成。掛金を増額する事業主に:増額分の3分の1を増額月から1年間助成。

福利厚生費として処理。

会社:全額損金算入。

事業主:全額経費算入。

*損金・経費=費用。

事業主(企業)

 

付加年金とは

対象者

1号被保険者

支払い方法

国民年金保険料にプラスして支払う。

毎月の支払額

400

受給するとき

付加年金納付月数×200円(年額)が老齢基礎年金にプラスされる。

注意点

国民年金基金との重複利用ができない。

年金の繰上げまたは繰下げ受給をすると、付加年金も繰上げまたは繰下げ受給することになる。

 

付加年金と国民年金基金は重複加入不可。どちらがトクか

付加年金と国民年金基金は重複加入ができない。

どちらに加入した方がトクなのかは、掛金の支払いを行う人の経済状況による。

  • お金に余裕がない人→毎月400円という手ごろな納付額で、年金を増額「付加年金」がトク。2年でモトが取れる。
  • お金に余裕がある人→毎月の支払額は、付加年金より多くなるが、受取額や税額控除があるという部分で「国民年金基金」の方がトク。

 


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