公的年金の給付 併給調整

公的年金は、「ひとり1年金」が原則だ。複数の年金が重複して受給できるような状態になったときには、いずれかを選択する、もしくは、金額の調整が行われる。こうした調整のことを「併給調整」という。

 

併給調整


日本は、皆年金制度をとっているため、規定の国民年金の納付が行われていれば、基礎年金の受け取りは、誰でもできる。

 

ただし、厚生年金(会社員などが加入している年金)と共済組合等(大企業や公務員が加入していた年金。現在は、厚生年金に一本化されている)の加入者は、「基礎年金」にプラスして、「厚生年金」も受け取れることになっている。

 

【同種類の公的年金:厚生年金加入者は、同ループ同士の年金は重複受け取り可能】

  • 老齢年金のグループ…「老齢厚生年金」と「老齢基礎年金」
  • 障害年金のグループ…「障害厚生年金」と「障害基礎年金」
  • 遺族年金のグループ…「遺族厚生年金」と「遺族基礎年金」

併給調整 公的年金併給組み合わせ表

公的年金の併給ができる組み合わせは、以下の表の通り。

 

 

老齢厚生年金

障害厚生年金

遺族厚生年金

老齢基礎年金

併給可〇

併給不可?

65歳以降併給可△

障害基礎年金

65歳以降併給可△

併給可〇

65歳以降併給可△

遺族基礎年金

併給不可?

併給不可?

併給可〇

 

〇:同じグループの基礎年金と厚生年金は、併給可能。
△:65歳以降は、遺族厚生年金と老齢厚生年金ならどの年金とも併給可能となる。ただし、繰上げ支給や64歳までの特別支給の老齢厚生年金とは併給不可なので注意が必要。
?:併給不可。


遺族厚生年金と老齢厚生年金の併給調整

遺族厚生年金を受け取っていた人が、65歳になり、老齢年金を受けられることになったときには、以下のようなルールに基づいて併給調整される。

 

【遺族厚生年金と老齢厚生年金の併給調整】
図表と照らし合わせ内容を確認しながら読むと分かりやすい。

  • A:「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」は全額支給。
  • B:「遺族厚生年金」は、「老齢厚生年金」相当額部分だけ支給が止まる。「老齢厚生年金」を上回る部分(「老齢基礎年金」にあたる部分)は支給される。
  • C:老齢厚生年金×2分の1+遺族厚生年金×3分の2

 


 

例えば、「めぞん一刻」音無響子さん(未亡人)が、65歳になったときに受給できる年金について考えてみる。あくまでこれは、例として「めぞん一刻」を使うのであって、実際の漫画で描かれた、細かい時代背景やキャラ設定などについては考慮しない。

 

夫・音無惣一郎を亡くした音無響子さんは、遺族厚生年金を51万円受給している
65歳を迎えた音無響子さんの老齢厚生年金は20万円(音無惣一郎さんも響子さんも厚生年金に加入していたと仮定する)。
音無響子さんの老齢基礎年金は55万円

 

@もととなるお金
A:遺族厚生年金:51万円
B:20万円×2分の1+51万円×3分の2=44万円
A(51万円)とB(44万円)を比べると→A(51万円)の方が多い。

 

A併給調整後の遺族厚生年金金額:51万円-20万円=31万円
B音無響子さんの受給額:55万円(老齢基礎年金)20万円(←響子さん自身の老齢厚生年金は全額貰える)+31万円(併給調整後の遺族厚生年金金額)=106万円

 


雇用保険との併給調整

老齢年金と雇用保険が両方受給できる状況になったときには、併給調整がある。

 

「特別支給の老齢厚生年金」と「雇用保険の基本手当」(失業手当)

「雇用保険の基本手当」(失業手当)の受給期間は、「特別支給の老齢厚生年金」は全額支給停止

「在職老齢年金」(老齢厚生年金)と「雇用保険の高年齢雇用継続給付」

「雇用保険の高年齢雇用継続給付」の受給期間は、「在職老齢年金」(老齢厚生年金)は減額(支給停止率の上限=標準報酬月額の6%

タックスプランニング